ここ数年、映像、小説、漫画、イラストなど、音楽を多角的なアプローチで表現するアーティストが増加しています。例えば、クリエイター・じん(自然の敵P)は「ニコニコ動画」に動画投稿した「カゲロウプロジェクト」がCD、小説、コミック、さらにはアニメ化と、多岐にわたるヒットを記録し、ロックバンド・amazarashiは、ライブや作品とリンクした書き下ろし小説を発表するなど、“音”だけに留まらない視点でひとつの作品を創り上げています。こうした中で、バラバラに点在していた要素をひとつのスマートフォン向けアプリに集約して展開するなど、新たな見せ方のモデルを構築することでコアファンを獲得するアーティストも出てきました。インターネットの動画サイトが定着したこともあって、ロックバンドや動画サイト発のアーティスト、クリエイター集団など、音楽表現において“音”だけに留まらない多角的なアプローチで世界観を構築するアーティストが増えているのです。音楽にアニメーションやドラマなどオリジナリティ溢れる映像をつけて動画サイトなどで発表し、さらにそのコンセプトに沿って小説、コミックと広げていくことで、ひとつの“物語”とも言える音楽の世界を創り上げていくのです。